こんにちは。
「駐輪場の何でも屋」、ヨコトクです。
近年、電動アシスト自転車など大型の自転車利用者が増えたことによって、マンションをはじめ、様々な公共施設、商業施設の駐輪場リニューアルに関するご相談が増えています。
ご相談いただく際に、こんな疑問を耳にすることがあります。
「駐輪ラックって素人からするとイマイチ違いがわからないんですが、どんな種類のものがあるんですか?」
「ウチにはどんな駐輪ラックがいいですか?選ぶ基準を教えて下さい。」
たしかに、駐輪ラックはパッと見た感じ似たように思えて違いが分かりにくいですよね。
この記事では、駐輪ラックの種類と選び方、設置のポイントについて解説します。
駐輪場のリニューアル、設備の入れ替えを検討している方、新しい駐輪場の設計を行なっている担当者の方など、駐輪ラックについて調べている方はぜひご一読ください。
駐輪ラックの基本的な種類とメリット・デメリット
まずは、駐輪ラックの種類から紹介します。
駐輪ラックにはさまざまな種類がありますが、
大きくわけて「平置きラック(平面式サイクルラック)」と「2段式サイクルラック」に分かれます。
【平置きラック(平面式サイクルラック)】
自転車を平面に収納するラックを平置きラック(平面式サイクルラック)と呼びます。
主に固定式(両輪式、前輪式、傾斜式)、スライド式が該当します。
【2段式サイクルラック】
限られたスペースでもっと収容台数を確保したい場合は2段式の駐輪ラックがおすすめです。上下段固定式、上段固定下段スライド式、上段昇降式に分かれます。
平置きラック(平面式サイクルラック)の種類
~固定式~ 両輪式 SS-1型
両輪式は乗り込み口と地面の段差がないため出し入れが簡単な駐輪ラックです。
地面に直接固定設置するシンプルなラックとなっており、
比較的施工も早くできお求めやすい価格の商品となります。進行方向に自転車を収納する際、黄色のローラーを越えなければならず段差が少し付いております。
~固定式~ 前輪式 YS-1型、YS-S型
前輪式は、前輪を持ち上げて収容する駐輪ラックです。
価格は一番安価な製品となります。こちらは両輪式より段差がついており、
前輪を少し上げなければ収納ができません。
~傾斜式~ ST-280型 MS-327型
固定式の中でも台数を多くとりたい場合は傾斜式ラックがお勧めです。
ラックに高低差をつけることで、奥行きを抑えて省スペースに自転車を収容可能です。
こちらは両輪式に傾斜がついているイメージ、こちらは乗り込み口の段差をこえなければなりません。
~スライド式~ SS-200型、YATG型
ラックを左右にスライドでき、すべての自転車を前輪から差し込んで自転車を安定して収納できるシンプルな平置き駐輪ラック。スライド式で無駄なくスペースが使えるので、平置き駐輪ラックでは最もたくさんの自転車を収容できます。使い慣れてない方ですと、ラックが左右に動くため、収納する際にコツが必要となってきます。
2段式サイクルラックの種類
限られた設置スペースでもっと、収容台数を確保したい、という場合は2段式のラックの導入を検討します。通常の2段式と、垂直タイプに分かれます。ただし、どのラックも上段に三人乗りの大型自転車は重量の関係で収容できませんので注意が必要です。
~上下段固定式~ YM型(上下セット)
上下に自転車を収納できる一般的な2段式タイプです。上段に自転車を収容する際は、レールを手前に降ろして利用します。レールの上下はガス機構の補助により、そこまで力はいりませんが、自転車を上段ラックに上げなければならず、女性,年配の方は少し大変かもしれません。2段式の駐輪ラックの中では比較的安価にお求めいただけます。
~上段固定式下段スライド式~ YM型(上段)+SS-200(下段)
一般的な2段式ラックの下段がスライドするタイプです。下段スライドラックを左右に自転車移動おこなえるため、上段の自転車の出し入れがしやすいですが、自転車を上段ラックに上げなければならず、女性,年配の方は少し大変かもしれません。また、下段ラックが左右に動くため収納する際にコツが必要となってきます。
上下段固定式と異なり下段の収容台数のほうが多くなります。
~上段昇降式~ YOS型(上段)+YATG型(下段)
上段のラックはガス機構による補助で、楽に垂直に上下できます。
上段に自転車を収容する際も、自転車を直接持ち上げる必要はなく、女性や高齢者の方でも簡単に上段に自転車を収容可能なのが特徴です。ただし、下段ラックが左右に動くため収納しにくいかもしれないためなコツが必要となってきます。最近人気がある商品です。
※各ラックの寸法や平面図などご覧になりたい場合は、こちらの製品図面ページに掲載をしております。
駐輪ラック選びと設置のポイント
ここまで、駐輪ラックの種類について紹介しました。次は、どうやって最適な駐輪ラックを選べばよいのか、その基準を紹介していきます。
設置スペースの広さと必要台数
まずは最低限必要な収容台数と駐輪スペースの広さ。それに応じて、利用できる駐輪ラックはある程度決まってきます。利用可能なスペースに応じて適切なタイプを選びます。設置場所の寸法や形状に基づいて、どのタイプの駐輪ラックが最適かを判断します。
利用者に応じた使いやすさと通路幅の確保
利用者の満足度に直結するのは、やはり使いやすさです。スペースが広い場合は、固定式の平置きラックや前入れスライドラックがやはり出し入れの負担が少なくてすみます。
2段式の場合は、一般的な2段式よりも垂直式ラックの方がより出し入れの負担が少なくなり人気です。この辺りはコストとスペースの兼ね合いもあると思いますので、決められない場合は専門業者にアドバイスをもらう方が確実です。ファミリー層の利用が多く、三人乗りの大型自転車の利用が多数見込まれる場合は、2段式の上段に積むことができないことの考慮が必要です。
また、ラック自体の問題だけではなく、通路幅も使いやすさと直結します。各ラックによって最低限必要な通路幅は異なりますが、できる限り広く幅が取れるように工夫が必要です。このあたりも専門業者に相談することで良い提案がもらえるポイントになります。
材質
駐輪ラックの材質は、ステンレス、スチール、アルミニウムなどが一般的です。
・スチールは比較的重く、錆も出やすいですが安価です。
・ステンレスは、錆びにくく丈夫という特徴がありますがスチールに比べると高価になります。キッチンのシンクなどにも使われていますね。
・アルミニウムは、この三つの中では最も軽く、また錆びにくいという特徴を持っています。ただ、衝撃には弱く変形などしやすい材質です。こちらもやや高価になります。
どの材質も一長一短はありますので、何を重視するかや予算との兼ね合いで最終的には決めていきます。
見た目・景観
見た目や景観に配慮して駐輪ラックを選ぶ場合もあります。例えば、景観に馴染むシンプルな見た目が求められる場合は、固定式の平置きラックが好まれる傾向にあります。
ただ優先度としては、必要な収納台数とスペースとの兼ね合いの方が高く、余裕がある際に考慮されるポイントです。
駐輪ラック設置の流れ
1.問い合わせ・ご相談
まずは、駐輪ラックの専門業者に相談しましょう。駐輪ラックが壊れた、台数が足りないので駐輪ラックを増やしたい、新設する駐輪場について相談したいなどなど。ヨコトクは、どのメーカーのラックでもできる限り対応いたしますので、どこに相談すればよいかわからない場合でも安心してご連絡ください。
2.現地調査
専門業者には必ず現地調査をしてもらいましょう。もちろん、図面や写真でもある程度のことは分かるのですが、工事にあたって、「思いがけない位置に配管があった」「排水口があって設置ができない」など施工上、問題になることがないかを調査します。
3.設計・ご提案
現地調査が完了しましたら、施工の内容や完成イメージを図面にしてご提案いたします。予定の収容台数はもちろん、利用する駐輪ラックや、通路幅の確保など利便性の面も含めて内容に問題がなければ、実際に施工に入っていきます。マンションなど利用者の方に影響が出る工事の場合は、事前にしっかりと工事内容を周知します。
4.施工
施工の流れに関しても紹介します。
- 施工前
- 古い設備があれば撤去、搬出します。
- 新しいラックを搬入して墨出し
- 駐輪ラックを配置する位置を決め、基準となる線を書く作業です。
- アンカー打設
- 駐輪ラックを固定するためのアンカーを打ちます。
- 駐輪ラックを設置
- 駐輪ラックを設置します。
- 施工完了
駐輪ラックを長く安全に使うためのメンテナンスと管理
毎日利用される駐輪ラックをできる限り長く安全に使うためには、定期的な点検やメンテナンスが重要です。
専門業者に、年間1〜2回程度の点検・メンテナンスを依頼される方が多いです。
ここでは、駐輪ラックのメンテナンスについて紹介していきます。
全ての駐輪ラックの動作確認
まずは全ラックの動作を確認していきます。動きが悪くなってないか、変な音がしないか、摩耗している部品はないかなど、丁寧にチェックいたします。
ローラーの動き・破損の確認
駐輪ラックの部品で最も破損が多いのは、ローラーです。ローラーが破損したり、摩耗すると自転車の出し入れに大きな支障が出ます。動きに問題があるラックがあった場合、ラックをレールから外して、裏側にあるローラーの交換を行います。
2段式ラックの昇降スプリング(ガス式)の確認
2段式ラックの点検の際は、上段のラックのガススプリングの動作確認も行います。何らかの原因でガスが抜けてしまうと、2段式ラックの上段の上げ下げができなくなります。こちらは部品の交換が必要になりますので、ご自身で気づかれた場合は早めに専門業者にご相談ください。
ネジ・ボルトの緩み確認
長く利用していると少しずつですが、ボルトが緩んでしまうことがあります。重大な破損や事故につながることもあるので、こちらも一本一本確認しながら、緩んでいるものは締め直しを行います。
駐輪場・駐輪ラックの施工会社選びのポイント
駐輪機は一度施工するとほとんどの場合、数十年以上利用されています。
そのため、長期間にわたって、安心・快適に利用できることを前提に、誠実に相談にのってくれる施工業者や、駐輪ラックを選んでいく必要があります。
ヨコトクで非常によく問い合わせいただくのが、「廃盤になったラックのため部品がないから修理できないと言われた」というご相談です。
ラック本体が廃盤になると部品も取り寄せができないケースが多いためです。
修理ができない場合、結果としてラックの入れ替えをすすめられるので、大きな費用が必要になってしまいます。
このあたりの対応は、相談する業者さんによって方針がまちまちです。
なので、施工業者を選ぶ際は、数十年使う目線で、誠実な対応をしてくれそうか?ということをぜひご検討ください。
ヨコトクは、半世紀近く前から駐輪ラックを扱う専門業者です。豊富な経験と知恵で、全てではありませんが代替品を用意したり、よりよい改善策をご提案させていただきます。お困りの場合は遠慮なくご相談ください。
まとめ
駐輪ラックの種類や、選び方、設置のポイント、施工業者の選び方など紹介してきました。
今まで書いてきましたように、駐輪機は数十年と長く利用されるものです。
また、利用者さんは、駐輪場は快適安全に使えるのが「当たり前」と考えています。
駐輪ラックの選定や設置について専門業者に相談する際には、業者の実績や提案内容をしっかりと確認し、自分たちのニーズに合った最適な提案をしてもらいましょう。
我々ヨコトクは「駐輪場の何でも屋」ですので、駐輪場、駐輪ラックに関してお困りのことがありましたら、お気軽にご連絡ください。